メトロポリタン美術館の2階正面から見て右側に進み、アジアンアートエリアに足を踏み入れると、突然高さ7メートル、幅15メートルもある大迫力の薬師如来像の壁一杯に広がる絵画が私達を迎えてくれます。これを見た瞬間、私達が今まで見てきたアートとは全く違う文化を持つアジア大陸に足を踏み入れたと気持ちが切り替わります。
この大壁画は14世紀初頭の元王朝の時に描かれた中国の絵画で、藁が練りこまれた粘土の土台に水性の顔料で描かれています。薬師如来が弟子と共に苦しむ人々の救済をする修行の様子を描いています。
メトロポリタン美術館 アジアアートについて
メトロポリタン美術館のアジアアートはそれぞれ地理別に分かれていて、古代から現在の中国、韓国、日本、南アジア、東南アジア、そしてヒマラヤとなっています。その中で絵画、陶磁器、書道、テキスタイル、彫刻、陶芸など紀元前から現在まで、5000年の歴史に及ぶ35000点の豊富なアートのセレクションで私達の心を遠いふるさとに連れて行ってくれます。
メトロポリタン美術館では19世紀後半よりアジアアートの収集が始まり、1915年に担当の部署が創立されてから、アジアにある様々な国宝級のアートのセクションを拡張し続けています。
主なみどころ 中国アート Chinese Art
中国アートはメトロポリタン美術館2階のバルコニーに広がる中国陶磁器のコレクションから始まります。紀元前からの貴重なアートが多く、また仏像のセレクションが豊富で5世紀から6世紀に彫られた貴重なものが数多く展示されていて大変興味深いです。その他山水画や書道などもスペースを多くとってゆっくりと見ることが出来ます。
そしてここで外せないのがアジアアートの癒しスポット、12世紀の明王朝時代をモチーフにした中国の中庭です。中国にて伝統的な手法で職人によって建築が完成した後、細かく分けてアメリカに輸送し、メトロポリタン美術館で再び組み立てられたという素晴らしい建築物となっており、訪れる人々の心を和ませてくれます。
主なみどころ 日本アート Japanese Art
日本アートセクションは訪問客にとても人気があり、ここでしか見ることの出来ない日本の芸術も沢山あります。
日本アートセクションはは専用のドアを開けて入る、ここでは珍しいスタイルで、ドアを開けるとクリスタルの鹿のオブジェが私達の目に飛び込んできます。ナワコウヘイさんの作品。
先に進むと数多くの仏像が姿を現し、日本人だったら思わず拝んでしまいたくなります。仏像エリアは鎌倉時代の木像などもあり、貴重な芸術を保存するためライトをかなり落として展示していますのでさらに荘厳な雰囲気を醸し出しています。13世紀の快慶の作品もあります。
ギャラリーは主に絵画、彫刻、陶磁器、磁器、打掛等の着物など紀元前の芸術から約4000年の歴史に渡るアートを展示していて、11の部屋に仕切られています。縄文時代の土偶、兜や刀などの装飾アートも見られます。
展示物は1年に二回は変わるようです。源氏物語の蒔絵や、葛飾北斎、17世紀の狩野山雪、古梅や尾形光琳の屏風絵の八橋図、襖絵等も日本アートの雰囲気を一層華やかに見せています。
今回は中国アート、日本アートをご紹介しましたがその他のアジアアートである南、また東南アジアのアートも見ごたえがあります。
メトロポリタン美術館アジアンアートいかがでしたか?
メトロポリタン美術館は世界三大美術館の一つで、1日ではとても回り切れないと言われていますので、行ってみたいと思われましたらぜひ時間を取って見学頂ければと思います。
Address
The Met 5th Avenue 1000 Fifth Avenue New York, NY 10028
WEBSITE https://www.metmuseum.org/visit/plan-your-visit
現在完全予約制になっています。
Direction
Subwayだと4,5,6ラインのいずれかで86ストリート駅下車が最寄り駅 徒歩約10分。
車の方は80ストリートに有料駐車場あり。